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妻の過去 ~知りたい夫と知る男~
第4章 再会
妻が用意したマグロの刺身、アスパラのベーコン巻き、筑前煮がテーブルに
並べられた。

「ごゆっくりどうぞ。」
とぎこちない笑顔を見せて去ろうとするのを
「久しぶりの再会なんだから、お前も付き合えよ。」
と誘った。

武勇伝を聞かせてくれと言うのはあくまで
川島を自宅に連れて帰るための口実に過ぎない。
真の目的は、妻と再会させことにある。
そしてその先にある、妻が頑として語らない
過去のことが…。

妻は少し困惑した顔で一瞬間をおいて
「…うん、それじゃ、少しだけ…」

そう言ってテーブルに着きました。
私に言われたからか、
やはり気になっていたのか、
川島との再会が妻を留まらせたのかは、
この時は分かりませんでした。

「大丈夫ですか?奧さん気を悪くされてないですか?」
「全然、そんなことないわよ。気にしないで。川島くんも、ごめんね
ウチの旦那ったら突然変なことするから。」
「僕も全然大丈夫ですよ。」
「ま、そう言うことだからもう一回乾杯するか!」

3人でグラスを合わせ、最初はぎこちなかったものの
酒の力を借りてか、場の緊張は少しずつ解けて行きました。

私を経由しての会話も、気付けば妻と川島で直接話すようになり、
使っていた敬語もどこかに忘れたかのように消え、
ぎこちなさが取れた笑いが続くようにもなりました。

焦りは禁物、と自分に言い聞かせ、じっくりと計画のスタートを見定めていました。

どれくらいの時間が過ぎたか。

(そろそろ、かな…)

私は目論んでいた行動に出ることにしました。

少し俯き、時折目を閉じて、酒にかなり酔った演技を始めました。
もちろん全く酔ってない訳ではいですが、
そこまで深くも酔ってない状態です。
その時、テーブルの下に手を伸ばし、裏に取り付けた小型盗聴機のスイッチを入れました。
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