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黒薔薇学園の白い百合たち
第7章 女教頭先生、女に目覚める

「少しお話をしましょうか」
このまま見過ごすわけにも行かず
井津美は彼を
パーキングに停めてある車に乗り込ませた。
「送っていくから
なぜ一人で徘徊していたのか話して頂戴」
そのように尋ねても
彼は口を一文字にしたまま話そうとしない。
「私が誰だかわかりますよね?」
そのように尋ねると
彼は微かに「うん」とうなづいた。
「事と場合によっては
学園側としても君を罰しなくてはいけないの
でも、事情があるのなら
穏便に済ませてあげるわ」
優秀な生徒なのだ
内申書に傷をつけたくはなかった。
「父と母は離婚しました…」
彼は小さな声で、ようやく口を開いた。
「原因は父の浮気でした」
どんどんと声がか細くなって行く。
「え、えっと…話しづらいんなら
別に今話さなくていいのよ」
何だか彼を詰問しているみたいで
こちらが身につまされた。
「父は女癖が悪いんです…
離婚して自由になってから
それに拍車がかかりました」
井津美がストップをかけても
堰を切ったように話が終わりません。
「ホテルとかでセックスをすればいいのに
なぜか父は女を家に連れて帰ってくるんです」
だから、女の悩ましげな声を聞くのがイヤで
二人が寝静まるまで
夜の街を徘徊するようになったと
彼は一気に捲し立てました。

