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黒薔薇学園の白い百合たち
第7章 女教頭先生、女に目覚める
お互いに名前で呼び合うと
なぜか妙に親近感がわいてきた。
「お布団…押し入れから出したんだけど…
すごくカビ臭いの…
だから…誠くんは私のお布団で休んでね」
「えっ?じゃあ、井津美さんは?」
「私はソファでいいのよ」
「だめですよ!家主さんをソファで寝かせるわけにはいきません!
僕がソファで寝ます」
互いに布団を譲り合っているうちに
誠の寝巻きは豪快に着崩れて
ほとんど前が開きっぱなしになっていた。
おまけに誠の腕力の方が強くて
最後には彼に抱きかかえられてしまった。
「あ、ごめんなさい…」
慌てて誠の腕から逃れようとしたが
それを彼が許してくれない。
しっかりと抱きしめられて
「井津美さん…いい匂いがする」と
胸に顔をうめてきた。
「バカね…
こんなおばさんを口説くつもり?」
そのように冗談っぽく言ったが
今度は逆に誠の頭を抱きしめて胸に押し付けた。
『ば、バカね…何をしてるの!
私は教師よ、しかも教頭という役職さえあるのに』
そう思ってみても
若い男を抱きしめた腕は
もう逃がさないとばかりに
より一層強く抱きしめていた。
「ね、井津美さん、僕、いいことを思い付きました」
「いいことって?」
「お布団で一緒に寝ましょう!」
うん、それがいいですと
誠は井津美の腕を取って
強引に布団に引きずり込んだ。