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黒薔薇学園の白い百合たち
第8章 らいと君とのリプレイ
「なんだかA組、大変な事になっているみたいですよ」
応接室の扉にへばりついて
中の様子をうかがっていた西田先生は
訳しり顔で私たちに教えてくれた。
「大変なことって…
まさか、警察沙汰でしょうか?」
警察と自分で言っておきながら
土方先生は顔色を青くした。
「いえ、そうではなくて…
あまり中の様子は聞こえなかったんですけど
どうやら色恋沙汰のようでして…」
色恋沙汰だなんて…
ひとつ間違えば、うちのC組もヤバイことをしているわけで…
私は土方先生と目を合わすと
彼もコクンとうなづいてくれました。
廊下でお二人の先生方と別れて
私はC組に足を踏み入れました。
教室は蜂の巣を突っついたような大騒ぎでした
教壇には例の山下光(らいと)くんが立っていて
黒板にチョークでワイドショーのような図を描いて
一人大きな声で力説していました。
「はいはい!ホームルームを始めるわよ!」
出席簿でらいと君のお尻をポンと叩いて
彼を自分の席に座らせた。
「ほんとにもう!朝から何を書いているのよ」
私は黒板消しを手にして
書かれている文字を消そうとして
思わず手を止めてしまいました。
そこには里中教頭先生の名前が書いてあったからです。