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黒薔薇学園の白い百合たち
第8章 らいと君とのリプレイ
『どういう事なの?』
教頭先生の名前から矢印が伸びて
A組の男子生徒B君に繋がり
ラブラブのハートマークが赤色チョークで塗られていた。
「ちょ、ちょっと何よこれ!」
私は、先ほどまで教壇に立っていて
熱弁をふるっていたらいと君に問いただした。
「何もこれも、その図の通りなんですけど」
「何でこんな関係図が出来ちゃうわけ?」
「証拠はこれですよ」
らいと君が見せてくれたスマホ画像…
そこには教頭先生の車に乗り込む男子生徒が
バッチリと撮されていた。
「これ…どうしたの?」
「僕は、ただの覗き魔じゃないですよ
こう見えても僕は将来的には芸能記者を目指しているんです。
夜な夜な、なにかスクープがないかと
夜の街を徘徊していたら
その写メのようにとんでもない場面に出くわしてね」
「で…二人は?」
「さあ、そこまでは知りません
タクシーで追いかけるほどの小遣いも持ち合わせていませんしね」
なぁ~んだ、じゃあ、生徒を家まで送ってあげただけかもしれない。
「あなた、もしかしてこの写メを学園長にチクったりしてないでしょうね?」
勘違いに尾ひれが着いて
大騒動になっているのではないかと
由里は、それを危惧した。
「まさかあ~、
僕のスクープをタダで漏らすわけないじゃないですか」
彼の言うことは信じられた。
なにせ、私の恥ずかしい写真をネタに
肉体関係を結んだ生徒でしたし…
コンコン…
「ホームルームは終わりましたか?」
一限目、数学の授業時間になっていたので
数学教師の渡辺先生が授業を始めてもいいかと
入り口で苛立っていた。