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黒薔薇学園の白い百合たち
第8章 らいと君とのリプレイ
その日を境に
教頭先生の表情が柔和になった。
これには学園中の先生たちが驚いた。
いや、表情だけでなく
仕草が…なんというか
妙に色っぽくなったのだ。
「ありゃ居候させている生徒と
絶対にデキているな」
すっかり自転車通勤をやめて
徒歩に切り替えた土方先生は
今日も私と二人仲良く学校を後にしながら
教頭先生の陰口を叩いた。
「もう!土方先生ったら!
すぐに下ネタにしようとするのね」
「いや、間違いないって!
でなきゃ、あんな色気は急に出ないって」
まあ、お陰でこちらも
お説教されなくてすんでるけどねと
土方先生は満足げに微笑んだ。
「私も誰かに恋したら色気が出るのかしら…」
「誰かに恋したらって…
まてよ、俺と由里は付き合っているんだよな?」
「そうなのかしら…」
「そうだろ?
いつも帰りはこうして一緒に帰ってるし、
何度かその…つまり…体を重ねたし…」
「うふふ、慌てちゃって可愛い人」
「からかってるのか?」
「別に…
ねえ、今夜、良かったらうちで食事して帰る?」
「ほんとに?
いやぁ嬉しいなあ~
そう言ってくれるのをずっと待っていたんだ」
「何が食べたい?」
「そうだなあ…奮発してすき焼きなんかどうだ?」
奮発してすき焼きかぁ…
発想が絶対に昭和のオヤジよね…
そんなことを思ってクスクスと笑ってしまった。