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黒薔薇学園の白い百合たち
第8章 らいと君とのリプレイ

「由里…」

向い合わせで寝転んだ二人。
ちょっぴり甘いムードが流れる…

土方先生が上体を起こして
私にキスをしようとした。

その時…

隣の部屋から、けたたましい女の子の笑い声
- きゃははは~!うけるぅ~! -

「このマンション…意外と壁が薄いんだね」

どうも土方先生は、お隣が気になって
先に進めないようでした。

『あの笑い声…香代さんだわ…』

そう、沢渡くんに紹介してあげて
意気投合してお付き合いを始めたんだっけ
もう部屋に遊びに来るほど仲良くなったのね

それは微笑ましい事なんだけど
こうも隣の部屋で騒がれちゃ
こちらのムードが台無しだわ。

しばらくして笑い声が聞こえなくなったと思ったら
今度はやけに悩ましげな声が…

- ああ~ん、いや~ん… -

「あれっ?お隣さん、もしかして…
メイクラブ始めちゃったのかな?」

能天気な土方先生さえも
お隣が何をし始めたかわかってしまうような
艶かしい声のオンパレード…

「こんなに声が聞こえるんなら
いやらしいことが出来ないね」

お隣に圧倒されちゃったのか
土方先生は「さて、そろそろ帰るよ」と
そそくさと帰り支度を始めちゃいました。

「えっ?帰っちゃうの?」

私的には絶対にお泊まりしてくれると思っていただけにショックでした。


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