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黒薔薇学園の白い百合たち
第11章 女帝 淑子
「いや…やめてぇ…」
やめなさいと叱責するつもりが
自分でも驚くほどの艶かしい声を出したことに
淑子はおののいた。
「悪いようにはしません、
後腐れのない関係でもいいんです
たとえ、この行いであなたの逆鱗に触れて
クビになってもいいんだ。
僕はね、自分を抑えることなんて出来ない」
胸を揉む手を引き剥がす事など
容易にできたのに
何故だか淑子は義雅のやりたいように身を任せた。
「あっ…!」
ニットのシャツの裾を首元まで引っ張りあげられて
ブラのカップに覆われた胸が露出された。
「仕事ができる女性は、素敵ですよ」
そんなことを言われて舞い上がるほど、
淑子は若くもないし素直でもない。
「仕事ができてキレイな女性は、の間違いでしょ」
「そうですね。間違えました
仕事ができてキレイな淑子さんは素敵です」
「何のためにそういう嘘つくの?」
溜息交じりに振り返ると、
鼻と鼻がぶつかるくらいの距離に
義雅の顔が迫っていた。
「嘘じゃないです。
俺は淑子さんを、仕事ができるキレイな女性だと思ってます」
力強く断言されても理解できない。
一重の目、低い鼻、薄い唇、
顔のどのパーツを見ても、
淑子の顔は『キレイ』とは程遠い。