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黒薔薇学園の白い百合たち
第11章 女帝 淑子

あの夜、処女を散らしてから
淑子のイマジネーションは飛躍的にアップした。

可憐な中にも妖艶さが混じり
女性たちは誰しもTOSHIKOブランドに夢中になった。

気づけば一財産を成し、
引く手あまたのファッション界の大御所とまで呼ばれるようになった。

ほどなくして淑子は義雅を婿養子として迎えた。

義明と雅人という双子を出産後は
義雅とは肉体関係を絶った。

セックスをすればするほど
デザインに妖艶ばかり反映され、
可憐さが失われていったからだ。

『人生で成功を成し遂げ、
得るものは得た…
そろそろ本当の自分をさらけ出して
この歳では遅すぎるかも知れないけれど
私は女に戻りたい…』


「何だい?
珍しいな、君が私の寝室にやって来るなんて」

眠れないのなら呑むかい?
付き合うよ

そう言いなが義雅が作業をしていたノートパソコンをパタンと閉じて、
キャビネットに向かい、ウィスキーのボトルとグラスを取り出した。

「あの二人…上手くいきそうよ」

暗に由里と義明が肉体関係を結んだことを報告した。

「そうかい、上手くいけば年内に孫の顔が見れるかな?」

ウィスキーをグラスに注ぎ、
ほら、祝杯だ。と言って淑子にグラスを持たすと
カチンと音を立ててグラスを鳴らした。

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