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黒薔薇学園の白い百合たち
第12章 由里の失踪
たくさんの料理がテーブルいっぱいに並べられた。
「さあさ、乾杯して、心置きなく食べてや」
圭介おじさんは業務用の冷蔵庫から
瓶ビールを取り出して
私にビールをついでくれた。
「あ、おじさん待って…
実は内緒で、あと二人を誘っているの」
「そうかいな、まあ、歓迎会は賑やかな方がええしな」
そう言い終わらないうちに
ガラガラと引き戸が開いて
「こんばんは、図々しくお邪魔しに来てしもた」と
宗一郎くんがひょっこり顔を出した。
「ちょっと、ちょっと!
宗一郎さんって、すごい男前じゃないの!」
私は思わずビックリして
留美子の脇腹を肘鉄砲しちゃいました。
「なんや、誘っているのは宗一郎くんやったんか
そんで…もう一人は…誰や?」
圭介おじさんが首をひねっていると
再び引き戸が開かれて
花束を手にした清美さんが現れた。
「えっ?えっ?!ええっ!!!」
清美さんの姿を見た途端、
圭介おじさんったら
椅子から転げ落ちるような激しいリアクションをしました。
「お父ちゃん!やめてや!
吉本新喜劇みたいなコケかたせんといてよ!」
彼氏の目の前で
情けない姿をさらした父親を
留美子は真剣に怒った。