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黒薔薇学園の白い百合たち
第14章 土方先生の落ち込み
「俺、嘆願書を作るよ」
らいと君が率先して名乗り出た。
「私も手伝うわ!」
彼と交際しているクラス委員の相楽 瞳も彼に同調した。
盛り上がるクラスメートに背を向けて
「あんたさあ、何か知らない?」と
成美たち仲良しレズっ子の三人組が
顔を付き合わせてヒソヒソ話を始めた。
「知ってたら何とかするわよ!
ほんとに何も知らないんだって」
愛美も困り顔で受け答えた。
「私…ちょっと心当たりがあるから
いろいろ探ってみるわ」
由里に紹介していただいた沢渡さんなら
何か知っているかもと香代は
彼から事情を聞き出そうと思った。
「お願いするわね
私たちにとって土方も由里ちゃんも大事な先生なんだから辞めさせたくないわ」
成美の言葉に愛美も香代も大きく頷いた。
放課後、香代は彼氏の沢渡の部屋へ向かった。
沢渡の部屋に入る前に
一応、隣の由里ちゃんの部屋をノックしてみたけど
案の定、返事など返ってこなかった。
「お前も由里の事が心配か?」
沢渡の部屋でベッドに腰掛けながら
香代の胸を揉みながら沢渡がそう言った。
「当たり前じゃん
由里ちゃんは、あなたと引き合わせてくれた恩人なんだから」
「まあな…
でも、あいつ、もう帰ってこないつもりだと思うぞ」
「何でそんなことを言うのよ」
「だってあいつ、俺に部屋を片付けてくれってメモを残して出ていったんだぞ」
「何でその時に引き留めてくれなかったのよ!」
香代は呑気な沢渡が許せなくて
胸を揉む手を払い除けた。
「仕方ないだろ、朝、起きたらメモが郵便受けに入っていただけで本人に直に会った訳じゃないんだからさ」
本当に困った奴だなと言いながら
再び沢渡の手は香代の胸に伸びた。