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黒薔薇学園の白い百合たち
第14章 土方先生の落ち込み
『由里が兄貴と寝た?』
この人は何を言っているんだ?
由里は俺の婚約者だぞ?
それを…
寝取らせた?
「おいあんた!
あんたたちは何をしたかわかっているのか?!」
それはレイプだぞ!
れっきとした犯罪だぞ!
土方は淑子に飛びかかって殴りかかろうとしたが
次の一言で金縛りにあったように体が固まった。
「レイプ?
それは無理やり犯したってこと?
それなら違うわ、だって、あの子は尻を振って
気持ちいいと悶えながら義明を迎え入れたんだから!」
失踪したですって?
はん!馬鹿馬鹿しい…
あんたと別れたくて逃げただけよ
淑子の言葉が鋭い凶器となって
土方の胸を突いた。
目眩がする…
何も考えられなくなる…
土方は茫然自失となって
フラフラと屋敷を後にした。
土方が部屋から出ていったので
淑子は慌てて婆やである良子を呼びつけた。
「奥さま…ご用でしょうか…」
「興信所を雇って由里の行方を探しだしなさい!」
何としてでも雅人より先に由里を見つけて
強引でもいいから義明と入籍させなければ…
それにしてもバカな女だわ
素直にこの家の跡継ぎの嫁になれば
すんなりと巨額の富を手にいれることができるのに
絶対に逃がしはしないと
淑子の唇は怒りでワナワナと震えていた。