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黒薔薇学園の白い百合たち
第14章 土方先生の落ち込み

土方はどのようにして自分の部屋に戻ったのか
全く記憶がなかった。

フラフラと歩いて
途中、何度も行き交う人と肩がぶつかった。

「痛えな!こらっ!!」

罵声を浴びせかけられたが
それさえも暗黒の心の渦に飲み込まれていった。

気づけば帰宅して
部屋の片隅に膝を抱えて座り込んだ。

『由里が兄を受け入れた?
喘いで腰を振っていた?』

そうか…
俺は由里に捨てられたのか…

失って初めて由里の存在の大きさを思い知らされた

土方はその時から自分の殻に閉じ籠った。

何度も学園から連絡のスマホが鳴ったが
もう、どうでもよくなり鳴り続けるスマホの電源を切った。

このまま、ひっそりと由里を思って餓死してもいいとさえ考えていた。

。。。。。。。。。。

「へえ~、じゃあ、由里ちゃんの彼氏の
土方って男は香代の担任なんだ?」

香代は沢渡の部屋にやって来て
力になって欲しいとお願いしていた。

「力になれって言われてもなあ…」

体を重ねあった由里の事だから
沢渡としても探しだしてあげたいが
本人が望んで失踪したのだから
ちょっとやそっとでは
見つかりっこないだろうなあと
諦めの境地になっていた。

「ねえ、なんとか協力してよぉ
担任の土方までおかしくなっちゃうし
あたしたちこのままじゃ
気持ちよく学園生活を過ごせないわ!」

力になってくれないんだったら
もう、抱かせてあげない!!

そう言って香代が帰り支度を始めたので
沢渡は慌てて香代を引き留めた。

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