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黒薔薇学園の白い百合たち
第2章 部屋で二人っきり
今日の初授業の前に
みんなから自己紹介をしてもらうつもりだったのに
バケツの水騒ぎで名前も知らないままでした。
「私、あなたの名前をまだ聞いていなかったわ」
「山下らいと…光と書いてライトって読むんだ」
へえ~…いわゆるキラキラネームってやつね
「俺の事、ライトって呼び捨てにしていいぜ」
これから深い仲になるんだから
お互いに呼び捨てにしようぜと言いながら
ライトは私に抱きついてきた。
「…っ!…止めなさいっ…!」
「やだ…止めない…ぜったい止めない…
だって、こうして由里ちゃんと
二人っきりになれたんだもん…」
「ふ…二人っきりって…っ!あっ…あぁっ」
二人っきりとライトは言うけど、
扉の向こうは共用スペースの廊下なので、
夕刻のこの時間は帰宅してくるために
パタパタと足音が聞こえていた。
ライトは、出来損ないのC組を象徴するかのように
だらしない着こなしの制服、
男子生徒なのに肩につくほど伸ばした茶髪、
いくつも開いているピアスと、
いくつもの校則違反が身体中に溢れていました。
そんな彼に私は無理やりベッドに押し倒された。
高校生とはいえ、
その腕は押し返してもビクともしない。
「何するの!」と抗議しようとして
上を向いた瞬間、唇を割られてしまった。
それは、今まで体験したことのない、
官能的なキスでした。