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黒薔薇学園の白い百合たち
第15章 由里との再会

「ほら、土方さんとやら
由里があんたの愛を受け入れたいと左手を差し出しとるで!」

いつまで由里にこのポーズを取らしておくつもりや

そう言われて
ゆっくりと土方は土下座から頭を上げた。

留美子が言うように
由里は左手を差し出して
エンゲージリングを再びくすり指に差して欲しいと待っていた。

「もう周りに振り回されずに
愛を築いていこう」

土方はリングを手にすると
二度目のエンゲージリングを由里の左手のくすり指に差した。

「よっしゃ!これで決まりや!
もうお互いに私が悪いだの僕が悪いだの言いっこなしやで!
今からがスタートや!二人でじっくりとええ家庭を作るんやで!」

ちょっと待っときや

留美子は、そう言い残すと
慌てて自分の部屋から一枚の用紙を持ってきた。

「これ、うちが使おうと思っていた婚姻届や」

茶色の文字で書かれた一枚の用紙を
二人の前に差し出した。

「これ、使ってくれたらええわ」

「えっ?でも、これって留美子が宗一郎くんに書いてもらおうと用意してたんでしょ?」

「かまへん、かまへん
あいつにこれを差し出したらビビって逃げだしかねへんから」

それにこんな紙切れなんか市役所に行ったらなんぼでも貰えるしな

そう言ってペンまで用意して
早よ書いてしまい。
誰にも手がつけられへん夫婦になってしもたらええねんと
私と雅人さんの尻を叩いてくれた。

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