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黒薔薇学園の白い百合たち
第17章 帰京
そんな悪口雑言(あっこうぞうごん)のLINEの中に
黒薔薇学園の学年主任の岡本先生からのLINEが混じっていた。
『岡本先生…』
土方雅人はイヤな予感しかしなかった。
恐る恐る岡本先生からのLINEを開いてみると
『C組がやけに騒がしいので
一人の生徒を捕まえて理由を聞いてみました。
おめでたいところ申し訳ないが
今夕、緊急の職員会議を開くので
是非ともご参加くださいますようお願いします』
ああ…ついにクビが言い渡されるのか…
一瞬で表情が曇った雅人の様子を
私は見逃しませんでした。
「学園からですか?」
「まあ、遅かれ早かれ処分が下されるのであれば
早いに越したことがないですよ
その方がこちらも就職活動に専念できますから…」
私は申し訳なくて
夫の手をギュ~っと握りしめました。
学園からの一本のLINEで
新婚ムードで帰京する甘い時間は
針の筵(むしろ)に座らされているような
とても重苦しい時間になってしまいました。
東京に到着すると
夫は、その足で学園へと向かいました。
私も一度、部屋へ戻って大学へ顔を出さなければなりませんでした。
夫には内緒にしていましたが
実は私も大学からの呼び出しがあったんです。