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黒薔薇学園の白い百合たち
第17章 帰京
「えっ?じゃあ…土方先生は…」
処分なしという言葉が
相楽瞳には信じられなかった。
「あら?聞こえなかったの?
インフルエンザが回復されたようなので
明日からまた土方先生には
教壇に立っていただきますわ」
それでいいですわよね?学園長。
里中教頭に睨まれて
学園長もタジタジで
「ま、まあ…そういうことですな」と
里中教頭の意見に首を縦に振らざるを得なかった。
「きゃぁ~!!やったぁ~!!」
相楽 瞳が歓喜のジャンプを繰り返すと
廊下で待機していたのか
2年C組の連中が小躍りしながら「やったあ!」と
それぞれが喜びの声を上げながら
会議室に雪崩れ込んできた。
一方、私はというと
荷物を部屋に置いて
呼び出された大学に向かおうとしていました。
部屋の鍵を開けていると
背後から
「日向さま、ずいぶん待ちましたよ」と
ハンチング帽にサングラスで変装したつもりの黒岩さんが声をかけてきました。
「屋敷で奥さまがお待ちかねです
どうぞ、何も言わずに屋敷にお越しくださいませ」
「まだ私をどうにかしようと企んでいるの?
でも、残念でした。私、これでも人妻なの」
「えっ?」
「雅人さんと入籍したのよ」
そのように伝えると
黒岩さんはヘナヘナとその場にしゃがみこんで
「ようございました…それでいいんです
業務命令ゆえにこうして日向さまを見張るような真似をしてしまいましたが
私は…日向さまには雅人さまと結ばれるのが一番だと思っておりました」
そう言ってサングラスを外すと
ハンカチで目頭を押さえた。