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黒薔薇学園の白い百合たち
第17章 帰京
大学に行かなくてはいけないの
由里は黒岩にそのように伝えると
「せめて、失礼なことばかりしたお詫びに
是非ともお送りさせてください」と申し出てくれたが
黒塗りのベンツで大学に乗り込むだなんて、
それを目にした学生たちが、いらぬ噂を立てられるのも困るので由里は丁重にお断りした。
学生部に呼び出しを受けてやって来ましたと伝えると、
「お待ちしておりましたよ」と
応接室に通された。
『応接室?』
学生部の部屋の片隅にも
簡易なテーブルとソファがあるのに
わざわざ応接室?
あ、そうか。
停学処分や留年を言い渡すのに
他の事務員がいては気の毒と思ってくれているのね…
どんな処分であろうとも
甘んじて受けよう。
どうせ、雅人さんと暮らし始めれば
予期せぬ妊娠も待ち受けているだろうし
その時は大学を中退して妻として母として
雅人さんの生活の一部になろう。
私的には、それが最善だと思えた。
待つこと数分、
応接室のドアが開いて
ゼミの大浦教授が姿を見せた。
「いやあ~、今回は大変だったそうじゃないか」
大浦教授も心配して
私のスマホに何度も電話をかけてくれたり
メールを送信してくれていました。