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黒薔薇学園の白い百合たち
第3章 教育学部の沢渡くん
目を覚ますと、見知らぬ天井がそこにあった。
ここどこだっけ……と
記憶をたぐりよせてみる。
ゼミが終わった後、決起集会だと誘われ
隣に座った沢渡くんに母校の事をバカにされ…
無理やりお酒を呑まされて…
やばっ、連れ込まれた?
私は真っ青になって飛び起きた。
間接照明の中、隣を見れば、
寝ていたのはシングルベッドで
隣にはもう一台シングルベッドがあって…
どうやらツインルームのようでした。
しかし、隣のベッドには
誰かが寝た形跡はなかった。
あれ?とベッドの上に座り込んで今の状況を考えた。
どうやら、どこかのシティホテルの一室に
私はいるようだった。
上着は脱がされていたが、
ブラウスとスカートは着たままだ。
「あ、日向。目が覚めたか?」
「沢渡くん…?あなたなんでここに?」
私は頭の痛みに、いてて…とうずくまった。
「大丈夫か?
これ酔い覚ましのスポーツドリンクだよ」
沢渡くんはペットボトルの封を切って、
わたしに差し出してくれた。
ありがとう、と小声で言うと、
中身を一気に飲み干した。
「美味しい」
「良かった。大丈夫そうだな」
私はベッド脇に、
人の良さげな笑顔を浮かべて
突っ立っている沢渡くんを見る。
「ねえ、なんでここにいるの?
私の記憶じゃ、部屋に連れて帰ってと
頼んだんだけど…
もしかして、沢渡くん、私をホテルに連れ込ん…」
「ち、違うよ!」
部屋に送り届けようとしたけど
しっかりと歩けないようなので
仕方なく近くのホテルに飛び込んだらしい。