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黒薔薇学園の白い百合たち
第1章 教育実習
「あなたが受け持っていただくのは
2年C組です」
懐かしい廊下を土方先生と肩を並べて歩いた。
『C組かぁ…』
私が在籍中からこの学園は
偏差値によってクラス編成されていた。
もちろんA組がトップクラスで
C組はかなりレベルが低かった。
C組に向かうにつれて
騒ぎ声が大きくなってくる。
「あいつら、また騒いでやがる!」
ヤレヤレという口調で土方先生はため息をついた。
「根はいい奴ばかりなんですけど
少しばかり素行が悪いので
覚悟しておいて下さいね」
ガラッと
土方先生がクラスの引戸を開けると
騒いでいたのが嘘のように静かになった。
『よく統制が取れているわ…』
きっと、土方先生は彼らに一目置かれているのだわと、私は土方先生を頼もしく思いました。
「さあ、入ってらっしゃい」
私が失礼しますと一礼してクラスに足を踏み入れると、再びクラスがざわめき始めました。
「静かに!」
土方先生の一喝で静寂が取り戻される。
「本日より教育実習生を受け入れる事となりました」
さあ、日向先生、自己紹介を…
土方先生に「日向先生」と呼ばれて
一気に緊張感が増してしまいます。
「え…えっと…日向です…
どうぞよろしくお願いします」
そう言って一礼すると
クラスの後ろの方から
「名前は?下の名前を教えてくれよ」と言われたので「由里です。日向由里と言います」と告げると、あちらこちらから「由里~っ!可愛い!!」と歓声が上がりクラスがドッと沸いた。