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黒薔薇学園の白い百合たち
第4章 女子生徒の反乱
午後の授業が始まる前に
トイレに行ってお化粧直しをすることにしました
派手なメイクをしているわけではありませんが
それでも一応ルージュだけは薄目の色を選んで
大人の女性の身だしなみの習慣でした。
私がトイレに入るのを追いかけるようにして
三人の女生徒が飛び込んできました。
顔に見覚えがあります
私が受け持つC組の女の子達です。
三人の女の子達は
洗面台の前に立つ私を取り囲むように
くっついてきました。
この三人はクラスの中でもメイクが派手で
制服もスカートを短くして
ピアスさえ付けています。
他にも洗面台が空いているのに
おかしな子達ねと思っていると
「先生、いい匂いがする」
そう言って一人の女の子が
私の首筋に顔を近づけてクンクンと嗅ぎだした。
「あら?そう?」
何だか言葉にトゲがあったので
さりげなく受け答えして
その場を離れようとしました。
「ねえ先生、身の上相談ってしてもいいのかしら?」
私の右隣の女の子が唐突に切り出した。
『来たぁ!』
私は内心嬉しくて
立ち去ろうとした足を止めて
彼女に向かい合った。
勉強を教えるだけが教師ではありません
まだ未熟な女の子ですから
人生相談なども引き受けるのが教師の努めです
それに、こうして相談を持ちかけてもらえるのも
自分を慕ってくれている証拠なんだわと
私は彼女の身の上相談に乗ることにしました。