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黒薔薇学園の白い百合たち
第4章 女子生徒の反乱
「どんなお話かしら?」
「えっと…ここでは話しにくいんで…」
うっかりしてました
女の子の相談なんだから
デリケートな話しに決まってます。
なにもこんなトイレで話せるはずもありません
「あ、ごめんなさいね
じゃあ…生活指導室に行きましょうか?」
「あの部屋。イヤなんだよね~」
きっと素行不良っぽいので
あの部屋はお説教部屋みたいに思っているのでしょう。
「放課後…視聴覚室で…お願いできませんか?」
「うん、いいわよ」
そのように快諾すると
三人の女生徒は「ありがとうございます」と
ペコリと頭を下げてトイレから立ち去った。
『どんな相談なのかしら…』
自分にキチンとした指導が出来るかしら…
一抹の不安はあるものの
土方先生は男だから
きっと女性にしか打ち明けられない恋愛相談かもしれないわ
性に関する悩みだったらお手のものなんだけどな~
そんなことを思いながら
午後の授業の準備のために
私は軽い足取りで教員室に戻りました。
「あれ?日向先生、何か良いことでも?」
ルンルン気分なのが
伝わってしまったのでしょうか?
「いえ、別に…午後の授業も頑張ります」
そう言って私はお茶を濁しました。
「そうですね、頑張ってください」
土方先生も機嫌が良さそうです
私が楽しげにしていたので
自分とのデートを
そんなに待ち望んでくれているのかと
彼は別の意味で微笑を浮かべる私を見つめていた。