この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
黒薔薇学園の白い百合たち
第1章 教育実習
午前の授業を終えるチャイムが鳴り
ランチタイムになったものの
私は午後からの初授業を控えているので
食事が喉を通りそうもありません。
「さ、日向先生、ランチにしましょう」
土方先生だけでなく
他の先生方もランチボックスを開いたり
デリバリーを頼んだりと
それぞれの昼食スタイルを取り始めました。
私はお弁当箱を目の前にして
ランチマットを広げるのも憂鬱で
ジッとお弁当箱とにらめっこを続けてました。
「日向先生、食べないんですか?」
土方先生はデイパックからコンビニ袋を取り出し
おにぎり二個とカップ麺を机の上に並べた。
「まあ!それだけ?」
「あはは、何せ安月給ですし
お弁当なんて作ってくれる人もいないので…」
でも、このカップ麺、なかなかいけるんですよと
ポットからお湯を注ぎはじめた。
『食べておかないとバテるわよね』
私は仕方なくランチボックスの蓋を開けた。
「おっ!旨そうじゃないですか!」
土方先生は私のお弁当箱を覗き込んで
物欲しそうにしています。
「よかったら…つまみますか?」
さあ、どうぞと
私はお弁当箱を土方先生に差し出した。
「じゃあ…お言葉に甘えて
卵焼きをいただきます」
嬉しそうに卵焼きを一切れ摘まむと
一口で頬張ってしまいました。