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黒薔薇学園の白い百合たち
第6章 カップリング
「あ、違うの!
今夜は、いい話を持ってきたの」
「いい話って?」
「あのさあ、沢渡くん。
明日の夕方なんだけど…
一人の女の子と会ってもらえない?」
「何それ?何で?
僕には君という彼女がいるのに
誰とも会うつもりはないよ」
「そんなことを言っていいのかしら?
ピチピチのギャルに会ってみたいと思わない?」
「ピチピチ?ギャル?」
よしっ!
食いついてきたわ!
もう一押しね
「まあ、会うだけなら会ってみてもいいけどな」
「そう?ほんとね!
約束よ!絶対に来てね」
「その子は由里の友だちかい?」
「そうねえ…
まあ、友だちとも言えなくもないけど」
「なんだい、煮え切らない返答だな」
「でも、若い女の子だから
きっと、沢渡くんも満足してもらえる筈よ」
「まあ、どうせ暇だからいいけどさ」
「じゃあ、決まりね
時間は…そうねえ…5時でどうかしら?」
「5時?!
そりゃまた早い時間だなあ」
香代は高校生だから
そんなに夜遅くまで出歩かせられないわ
「で、どこで会うんだい?」
「そうねえ、駅前のファミレスでいいでしょ?」
「ファミレスぅ?
おいおい、高校生の茶話会じゃないんだからさあ
個室のある居酒屋がいいんじゃないか?」
「ダメダメ!それは絶対にダメよ!」
そんなところに、あの子を連れていけないわ
夕方から居酒屋なんて開店していないわよと
なんとか取り繕って約束を取り付けた。