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見ているのはあなただけ
第1章 偶然
部屋に戻るとすぐに電話をかける
呼び出し音が鳴りすぐにアナウンスが流れる

「お電話ありがとうございます。コワン引越しセンターガイダンス受付です。ガイダンスに従い・・・・・・・」

(まじめに頑張っているお隣の男の子に失礼だ。もうこんなこと止めなきゃ・・・・)

電話を机に置くと部屋の片づけを始めた
自分勝手な独りよがりな行動に涙がにじむ

ピンポーン

涙をぬぐってドアスコープを覗くと
そこにはお隣の男の子がいた
(え・・・・・なに・・・・)
鼓動が早くなる

「・・・はぁい。どうしたの?」
「あ、急にすみません。ちょっとお願いしたいことがあって・・・」
手にはジャケットとボタンを持っている

「明日、論文発表で着るのにボタンが取れちゃって・・・・」
「!!ふふふっ。いいよ」
「すみません・・・あと・・まだちょっと論文の確認があるのでコレ置いて行ってもいいですか?」
「じゃあ、出来たら持って行くね」
「ありがとうございます!!」

ペコペコしながら自分の部屋に戻る姿を見て気持ちが和む
(かわいwwww)
こうして見ているだけにしておけばよかったと改めて後悔する
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