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ラズベリーの甘い誘惑
第1章 王子様はお姫様を夢見る。
王子様は幼い表情に似合わない、豊満な胸を十分堪能したので、利き手を女の子の下半身へと伸ばします。女の子にとっては不幸にも、しかし王子様にとっては幸いにもドレスの裾は捲れ上がっていたので、手間取る事無く王子様は女の子の太股へと手を這わせました。
「ひゃっ…!? え、え、待っ…」
慌てたのは女の子です。思わず王子様の手を掴んでしまいます。
「エル……?」
「っ…。だ、だっ…て、そこは…」
王子様は悲しそうな顔で女の子を見詰めます。女の子は困ったように眉尻を下げ、王子様と目を合わせないように伏せてしまいました。掴んだ手は、そのままです。
王子様は少しだけ考えます。そして、にっこりと満面の笑みを浮かべました。それから、太股を触っていた手を、なんと素直に退けてあげたのです。
女の子は太股の生暖かさが離れたのに気付き、顔を上げました。そして、王子様が笑っているお顔を見て、ほっと胸を撫で下ろしたのです。
しかし、
「エルがこんなに悪い子だなんて思わなかったよ」
「っ……!」
「最初に言ったよね。確かめたい事があるって。エルが俺のお嫁さんになるのに、とても大切な事なのに、邪魔するなんて。エルは俺のお嫁さんになりたくないの?」
王子様は口元を上げて、にたりと笑います。わざとらしく首を傾げ、女の子に訊ねるのでした。
女の子は勿論こんな王子様が相手でもお嫁さんになりたかったので、ぶんぶんと大きく頭を横に振ります。今にも泣き出しそうな表情で、ごめんなさいと、小さく謝りました。
ああ、なんて健気で一途な女の子なんでしょう。この子に相応しい王子様が他にきっといるというのに、どうしてこんな奴の舞踏会に来てしまったのでしょう。そんな女の子の性格を逆手にとって、王子様はさらに続けるのでした。
「なら、俺の言う事を何でも素直に聞くんだよ?」
女の子はもう、頷くしかありませんでした。
「ひゃっ…!? え、え、待っ…」
慌てたのは女の子です。思わず王子様の手を掴んでしまいます。
「エル……?」
「っ…。だ、だっ…て、そこは…」
王子様は悲しそうな顔で女の子を見詰めます。女の子は困ったように眉尻を下げ、王子様と目を合わせないように伏せてしまいました。掴んだ手は、そのままです。
王子様は少しだけ考えます。そして、にっこりと満面の笑みを浮かべました。それから、太股を触っていた手を、なんと素直に退けてあげたのです。
女の子は太股の生暖かさが離れたのに気付き、顔を上げました。そして、王子様が笑っているお顔を見て、ほっと胸を撫で下ろしたのです。
しかし、
「エルがこんなに悪い子だなんて思わなかったよ」
「っ……!」
「最初に言ったよね。確かめたい事があるって。エルが俺のお嫁さんになるのに、とても大切な事なのに、邪魔するなんて。エルは俺のお嫁さんになりたくないの?」
王子様は口元を上げて、にたりと笑います。わざとらしく首を傾げ、女の子に訊ねるのでした。
女の子は勿論こんな王子様が相手でもお嫁さんになりたかったので、ぶんぶんと大きく頭を横に振ります。今にも泣き出しそうな表情で、ごめんなさいと、小さく謝りました。
ああ、なんて健気で一途な女の子なんでしょう。この子に相応しい王子様が他にきっといるというのに、どうしてこんな奴の舞踏会に来てしまったのでしょう。そんな女の子の性格を逆手にとって、王子様はさらに続けるのでした。
「なら、俺の言う事を何でも素直に聞くんだよ?」
女の子はもう、頷くしかありませんでした。