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ラズベリーの甘い誘惑
第2章 恋は盲目の意味を答えよ。
直輝は裕香の態度から図星だとわかったのか、少しだけ不機嫌そうに唇を尖らせた。

「だからこっちの大学にしとけばって言ったのに」
「え、あ、違う違う。東京に行く事は、自分で納得して決めた事で。それに向こうには叔母さんもいるんだから大丈夫よ」

裕香は慌てて直輝の言葉を否定する。
己の心を見透かされたようで、裕香は焦って否定した。
けれども直輝は納得してない様子で、疑わしげに裕香を見つめる。

「そ、それより君、今授業中なんじゃないの?」
「自習だから問題なし。はい先輩、この際だから腹割って話しましょう」

疑い目のから逃れる為、話を逸らしてみようとしても効果はない。
直輝の不機嫌そうな表情を見て、裕香は困ったように眉尻を下げた。

「俺、何度も言いましたよね。こっちにも先輩の行きたい学科の大学はたくさんあるんだから、わざわざ東京にしなくたっていいって」
「ええ、そうね」
「ちゃん大学資料も見て、裕香先輩だって興味持ってたじゃないですか」
「ええ…、そうなんだけど…」

それはもう、裕香の両親や担任より熱心に、直輝は大学選びに付き合っていた。あの手この手を使ってどうにか地元の大学に通わせようと手回しをしていた。
裕香の方も、いくつか興味を持ったが、結局は東京の大学に決めてしまった。
その事を直輝は残念がったが、裕香が行きたいと決めた事にとやかく文句は言わなかった。

言わなかったのだが、内心文句で一杯だったようだ。

「だいたいこっから東京まで何時間掛かると思ってるんですか」
「新幹線で、三時間、です」
「新幹線なんて高くて使ってられないっすよ! 費用だって馬鹿にならないんすから」
「そ、そう、ね…」
「全く、会いに行くこっちの身にもなって下さいよね」

やれやれと、直輝は大げさに肩を落とした。
その様子に裕香は、驚いて待ったを掛ける。

「え、え、君、こっちに来る気なの?」
「当たり前じゃないですか。毎週は無理だけど、月1くらいで」
「え、な、なんで?」
「なんでって…、裕香先輩が寂しくないように」

何を今更といった様子で、直輝は呆れたように言った。
裕香は更に目を真ん丸く見開く。咄嗟に言葉が出なかった。

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