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ラズベリーの甘い誘惑
第2章 恋は盲目の意味を答えよ。
「君、恋は盲目と言う言葉を知ってるかな」

裕香は帰り支度をしながら直輝にそう尋ねた。
尋ねられた直輝は、裕香の前の席に座って、自信たっぷりに頷く。

「当たり前じゃないっすか。裕香先輩にぴったりの言葉っすよ」
「私に?」

裕香は怪訝そうな顔で首を傾げる。
直輝はにっこり笑って応えた。

「盲目って見えないって事でしょ。恋は見えない。つまり、気付かない内に恋心って言うのは心の中に芽生えるって事です。俺の事が好きだってずーっと気付いてなかった裕香先輩の為にあるような言葉っすよねー」

それは、ちょっと違うんじゃないかと、裕香は思った。
思ったけれど、裕香は可笑しそうに笑った。

「なるほど。だから恋はするものでなく、落ちるものと言われてるんだね」
「そーそー、知らない内に、俺に撃ち落されちゃってたんですよ。愛の弾丸でね」

直輝は手でピストルの形を作り、裕香の胸目掛けて引き金を引いた。
くすくすと小さく笑いながら、裕香は荷物の詰め終わった鞄を閉める。

心はすっきりと晴れていた。
あんなにも不安だった日々が嘘のようだ。
もう思い出の自分を羨ましがる事はない。
眩しい笑顔は、たった今、自分だけのものになったのだ。

「そんな事より先輩」

直輝は少しだけ不満そうに唇を尖らせた。
裕香はコートを制服の上から羽織りながら、何と先を促す。

「いつまで俺の事を君って呼ぶんですかー。直輝で良いじゃないっすか」

思わない所を指摘され、裕香は驚いて目を見開く。
うーんと、首を傾げながら考えて、少し意地悪そうににやりと笑った。

「君が私の大学に無事合格できたら、考えてあげない事もないよ」

彼はきっと、私を追いかけてくるのだろう。
思えば中学のときもそうだった。
少しだけ不安になっていた私の背中を押したのは、彼のたった一言。

裕香は思い出の中の直輝の姿を脳裏に思い浮かべ、朗らかに笑った。



恋は盲目の意味を答えよ。
(君とキスがしたい。君と抱き合いたい。君だけと。)



「ちぇっ。えっちの時は何度も呼んでたのに」
「呼んでない」

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