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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
愛実ちゃんがしかめっ面で卓に何か言いながら袖を引っ張った。
でも、卓はあたしを見ている。
最初は驚いたような表情だったけど、
今は戸惑いながら泣きそうな表情をしてる。
あたしだけが分かる。
卓の、実は細やかな色とりどりの表情。
また卓の表情が変わる。
どこか辛そうな、太陽の笑顔。
(もうちょっとで…!)
届く。
(…何で?)
急に景色が揺れていくなかでそれだけ思った。
あたしの目に映ったのは二人の足元。
それから固いアスファルト。
「早苗っ!」
(あ…卓、やっとあたしの名前呼んでくれた…嬉しいなあ。)
あたしは卓達の目の前で派手に転んでしまった。
不思議と痛くない。
(ん?だんだん痛くなってきた…)
「いたーー!」
「大丈夫ですかっ!早苗先輩!」
「早苗、どこ怪我した!?」
必死に追いかけたのに。
直前になって転ぶなんて、馬鹿だ。
それで二人にすごく心配されてる。
あたしはゆっくりと倒れた体を起こした。
でも、卓はあたしを見ている。
最初は驚いたような表情だったけど、
今は戸惑いながら泣きそうな表情をしてる。
あたしだけが分かる。
卓の、実は細やかな色とりどりの表情。
また卓の表情が変わる。
どこか辛そうな、太陽の笑顔。
(もうちょっとで…!)
届く。
(…何で?)
急に景色が揺れていくなかでそれだけ思った。
あたしの目に映ったのは二人の足元。
それから固いアスファルト。
「早苗っ!」
(あ…卓、やっとあたしの名前呼んでくれた…嬉しいなあ。)
あたしは卓達の目の前で派手に転んでしまった。
不思議と痛くない。
(ん?だんだん痛くなってきた…)
「いたーー!」
「大丈夫ですかっ!早苗先輩!」
「早苗、どこ怪我した!?」
必死に追いかけたのに。
直前になって転ぶなんて、馬鹿だ。
それで二人にすごく心配されてる。
あたしはゆっくりと倒れた体を起こした。