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欲しいんでしょ
第10章 おひるのおひさま
「愛実ちゃん…」


「あはは、よく分かりましたね。そうですよ?私が卓先輩を脅して付き合ったんです。」



もう、あたしの知ってる愛実ちゃんではないようだった。


「逆らったら早苗先輩を学校にいられないようにするって言ったら、簡単に受け入れてくれました。」



「え……」



あたしはその言葉を聞いて、落胆する訳でもなく責任を感じた訳でもない。






ただ、嬉しかった。





「よかった…」



「は?」


愛実ちゃんは顔をしかめた。


「あたし、すごい嬉しいよ。」


嬉しくて泣きそうになるのを堪えて、口を開けている愛実ちゃんに言った。



「卓はあたしの事、嫌いじゃなかったんだ。」


驚いた顔からイライラした表情に変わる愛実ちゃん。



「あたしの事…守ってくれてたんだね。」



(気付かなくてごめん、卓。)
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