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全部、夏のせい
第8章 暗雲〜東京、横浜、そして…
「あれ?
こっちの指輪しか、つけてないの?」とアラムが言うので、

「あのね。
大学に通学する時に、
あんなに大きなダイヤモンドのついた指輪、
嵌められないから、
大切に仕舞ってあるのよ?」と言うと、
少し残念そうな顔をするので、

「持って来て、お祖母様に見せましょうね?」と、
自分の部屋に取りに行った。


スーツケースから、オレンジ色の箱を取り出して、
応接室に戻る。


「あら?
随分と大きなダイヤモンドの指輪なのね?」と、
祖母が笑う。


箱を開けて、布の袋に入ったバッグを取り出すと、

「まあ。
凄いバッグが出て来たこと!」と目を丸くする。


バッグの中に入れていた、
カルティエの箱と、
アラムがパリで渡してくれた箱を取り出す。


アラムがカルティエの箱を手に取って開けると、
私の左手の薬指に、
結婚指輪として貰った指輪と重ねて、
ダイヤモンドの指輪を嵌めてくれて、
そっと手の甲にキスをした。


「このバッグも、アラムからなの。
ケリーもね、アラムの結婚指輪を私から送りたくて買ったら、
お金が無くなってしまって、
購入するのを諦めたのに、
結婚の贈り物にって…」


「まあ。
半返しするのが、大変じゃないの!
アラムはお金持ちなのね?」と、
祖母は笑った。


「正確には、僕の親がお金持ち。
それと、結婚の時は、
家や車を送る習慣だから、
その代わりです。
でも…。
もう、家も国まで家族も神様も捨ててきたので、
僕にはそんな財産はありませんが…」とアラムも笑った。


「健康で、愛情があれば、
それで充分なのよ?
結婚なんてね?
でも、頭の堅い真麻ちゃんのパパを説得するの、
本当に難しいと思うわよ?」と、
祖母は難しい顔をして言った。
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