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全部、夏のせい
第8章 暗雲〜東京、横浜、そして…
玄関のドアを開けると、
母が出迎えに出てくれて、その場で固まってしまう。


「外、寒かったわ。
入っても良いわよね?」と祖母が言うけど、
母は何も言わず、
私とアラムを交互に見つめて立ち尽くしていた。


奥から父の声がする。

「どうした?
早く上がりなさい」


「あの…でも…」と、母が言うので、
奥から父が玄関まで出てきて、
母と同じように固まって、
私とアラムを見た。


「上がるわよ?
ほら、真麻ちゃん、アラム?
入りましょう?」と祖母が言うので、
私は屈んでスリッパを並べようとして、
下腹部に痛みが走った気がして、
「あっ…」と言いながら顔を歪めてしまう。

アラムが、
「マーサ、大丈夫?」と身体を曲げるように私を支えてくれるのを見て、
父は憮然とした顔で奥に入ってしまった。


母は、ハッとした顔をして、

「真麻さん、ひょっとして?」と言う。


私が頷くと、

「そう…。
とにかく入って?
玄関先は足元が寒いから!
アラムさん?
どうぞ?」と言うと、
アラムは、
「お邪魔します」とお辞儀をして玄関に上がると、
振り返って三人分の靴を並べ直した。


王子さまみたいなポジションだと聴いていたアラムが、
そんなことまで、してくれるようになったことがおかしくて、
クスリと笑ったら、
なんとなく、肝が座った感じがしてきた。



応接室に入ると、
父は苦虫を潰したような顔で座っていた。


母が、「お茶を…」と立とうとしたけど、

「良いよ。
お客じゃないんだから、
座ってなさい」と怒ったような顔で言うと、

「取り敢えず、そこに座りなさい」と、アラムに言った。
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