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全部、夏のせい
第8章 暗雲〜東京、横浜、そして…
その日は、いまだに思い出しても哀しくなるほど平行線で、
話も聴いてもらえないまま、私は勘当されてしまった。


父は最初から喧嘩腰で、
いつも優しくて穏やかなところしか観たことがなかったので、
かなり私はショックを受けた。


勉強の為にと留学させたのに、
そこで妊娠して帰国するような娘に育てたつもりはない。

それに、親に相談も承諾もなく、
二人だけで結婚を決めることも、非常識だ。


アラムの国籍や肌の色のことは、
最後まで何も言わなかったけど、

「産まれてくる子供がどれだけ差別を受けるのか、
考えなかったのか?」とも言われた。


母は、俯いたまま、
一言も言わずに肩を震わせていた。


アラムは、祖母に説明したことを、
日本語でゆっくり説明したけど、
結婚していたことや、
元々、一夫多妻の国であることを聴いたら、
その後の、離婚をしたことや、国も捨てたこと、
改宗までしたことなども、聞く耳を持たなくなった父は、

「出ていってくれ。
二度と会いたくない。
真麻も同じだ。
今後は親でも子でもない」と言うと、
自室へ行ってしまった。


母は目に涙を浮かべて、

「私はまだ、気持ちの整理が出来ないわ?
パパの気持ちも解るし。
私もね。
子供の頃、虐められたのよ?
フランス人からも、
日本人からもよ?
だから…。
真麻さんの赤ちゃんも、
同じような目に遭うんじゃないかと思うと…」と言うと、

「パパの様子、見てくるわね?
お母様…。
真麻さんをお願いします。
アラムさん、真麻さんを幸せにしてあげてくださいね?」と言うと、
涙を拭いながら、
奥へと行ってしまった。


「想定内ね?
とにかく、顔合わせして、報告はしたし、
勝手にしろってことだから、
こちらで婚姻届、出しましょうね?」と、祖母は笑った。


私は、急激に下腹部が痛くなってしまって、蹲ってしまう。

冷や汗が出て、明らかに異常を感じた。


アラムが驚いて身体を抱き締めるけど、
あまりの痛さに意識が遠ざかってしまった。
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