この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
全部、夏のせい
第9章 愛別離苦

「1週間前に、私は現地に行って、
聞き込みをしてきました。
そこに、女性や子供を拐いに来た過激派みたいな人達が来て、
アラムはそれを止めようとして、
一緒に連れ去られたということが、判りました。
私が調べられたのは、それだけで、
車は西の方に走り去ったとしか…」
「勇敢にも息子を探しに行ってくれて、
ありがとう。
でも、危険だから二度としないで欲しい」と父王は言った。
「でも、アラムが生きている限り、
私は何度でも探しに行きます。
アラムは、連れ去られた時、
脚を撃たれたと聴きました。
もしかしたら、治療した人とか、
薬の入手ルートとかから、
調べられないでしょうか?」
「どの勢力かは判らないが、
敵対する者に、医者や薬など、
使わないだろう。
もう、殺されて、
何処かに捨てられている…」
と言われて、私はそれを遮った。
「私は死体を見るまで生きていると信じます。
もしも死んでしまっているなら、
骨を拾って持ち帰って埋葬します」
「それで、復讐でもするのかな?」
と言われて、少し驚いてしまう。
「復讐?
そんなこと、思いもよらなかったです。
ただ、アラムに会いたいだけです」と言うと、
「判った。
こちらでも探してみるよ。
この連絡先を配下の者に教えても良いかな?
具体的に、どこで誘拐されたかや、
どの武装勢力が絡んでいるかを調べさせるよ」と笑った。
そして、
「初めての電話なら、もっと良い話をしたかったよ。
くれぐれも無茶をして、現地に行くことは辞めて欲しい。
万が一、マーサに何かあったら、
息子は止めなかったと私を許さないだろう」と言って、
電話を切った。
ゆっくりはしていたけど、
イギリス訛りの英語での話し方は、アラムと似ていた。
私も平穏な時に、お話出来たら良かったのにと思った。
聞き込みをしてきました。
そこに、女性や子供を拐いに来た過激派みたいな人達が来て、
アラムはそれを止めようとして、
一緒に連れ去られたということが、判りました。
私が調べられたのは、それだけで、
車は西の方に走り去ったとしか…」
「勇敢にも息子を探しに行ってくれて、
ありがとう。
でも、危険だから二度としないで欲しい」と父王は言った。
「でも、アラムが生きている限り、
私は何度でも探しに行きます。
アラムは、連れ去られた時、
脚を撃たれたと聴きました。
もしかしたら、治療した人とか、
薬の入手ルートとかから、
調べられないでしょうか?」
「どの勢力かは判らないが、
敵対する者に、医者や薬など、
使わないだろう。
もう、殺されて、
何処かに捨てられている…」
と言われて、私はそれを遮った。
「私は死体を見るまで生きていると信じます。
もしも死んでしまっているなら、
骨を拾って持ち帰って埋葬します」
「それで、復讐でもするのかな?」
と言われて、少し驚いてしまう。
「復讐?
そんなこと、思いもよらなかったです。
ただ、アラムに会いたいだけです」と言うと、
「判った。
こちらでも探してみるよ。
この連絡先を配下の者に教えても良いかな?
具体的に、どこで誘拐されたかや、
どの武装勢力が絡んでいるかを調べさせるよ」と笑った。
そして、
「初めての電話なら、もっと良い話をしたかったよ。
くれぐれも無茶をして、現地に行くことは辞めて欲しい。
万が一、マーサに何かあったら、
息子は止めなかったと私を許さないだろう」と言って、
電話を切った。
ゆっくりはしていたけど、
イギリス訛りの英語での話し方は、アラムと似ていた。
私も平穏な時に、お話出来たら良かったのにと思った。

