この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
全部、夏のせい
第10章 再びのエクス、そして隣国へ
昼間は大学に通ったり、授業がない時はアダムや祖母も一緒に、
大学構内で過ごした。


シャルルに訊くと、
小学校の教科書なんかは学校から貸与だったと言われたので、
本屋さんで勉強に必要そうな子供用の本を買って、
まだ小さいアダムに、色々なことを教えた。

祖母も楽しそうに教えてくれたので、
同じ年齢のお子さんより、
口も達者で、
遊び感覚で色々な科目を覚えたり考えたりする子供になった。


その一方で、
私達の住んだあの寮の裏の、
シャルルの通う小学校の校庭で、
他の大きなお兄ちゃん達と遊んで貰ったりもした。

身体が、アラムに似て大きかったこともあり、
幼稚園で言うと年少さんから年中さんくらいのアダムは、
一年生だというお子さん達と、
よく一緒に遊んで貰っていた。


なかなか、高等弁務官事務所の現地採用枠は空かなかったので、
そのまま大学院を卒業するまでエクスで暮らした頃には、
アダムはすっかりフランス人の子供のようになっていた。


アリが時折、電話をくれて、
エクスに住んでいると言うと、かなり驚いていた。


そして、何度かエクスまで、
私達の様子を観に来てくれたりもした。


昔のように冷たい顔をすることはなかったけど、
気の毒そうな顔をされるのが辛かったので、
殊更、明るい顔をして、

「私はアラムに会えると信じてますから!」と笑っていた。


アダムがアリのことを気に入ったようで、
一緒にサッカーをしようとせがんだり、
肩車をして貰ったりしてるのを観て、
アリがアラムだったら良いのにと思って、
涙ぐんでしまうこともあった。



卒業するタイミングで、
ようやく私は高等弁務官事務所に入ることが出来た。

そして、3ヶ月間の短期間の派遣で、
あの隣国のキャンプに行くことが決まった。


アダムと祖母はエクスかマルセイユに残して行こうとしたのに、
祖母が言うことを聞いてくれなくて、
今回は三人で向かうことになった。


勿論、心配させるから、
両親には内緒にしましょう!と、
祖母はウィンクして私に笑い掛けた。
/323ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ