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全部、夏のせい
第10章 再びのエクス、そして隣国へ
生まれて初めて髪をベリーショートにしてみると、
物凄く幼い印象になってしまって、
我ながら可笑しくて笑ってしまった。

アダムは、
「ママン、可愛い」と言って、
髪をクシャクシャさせて、声を上げて笑って、
額や頬にキスをしてくれる。


「あら!
わたくしも、髪、切ろうかしら?」と、
祖母も笑っていた。


現地の季節は「夏」になるそうだったけど、
昼間は死ぬ程暑くて、
逆に夜は一気に冷え込んだりしていた。


現地にはもう、ルイは居なくて、
後任の担当者はルカという名前のアフリカ系フランス人だった。


運転手さんは同じ人で、
懐かしそうな顔で、
「おかえり」と笑った。


私の仕事は、
そこに居る人達に聴き取りをして、
難民の要件を満たしているかどうかを決めていくことだった。

合間に、現地の言葉を少し教えて貰ったりもしながら、
いつか、アラムの小箱を渡してくれたアリという少年を探そうと思った。
でも、アリという名前はとても多いし、
一瞬のことだったから顔も正直、覚えていなかった。


祖母は、
「昔取った杵柄よ?」と言って、
簡易的な診療所で、看護婦さんの補佐をして過ごすと笑った。

アダムは、私が聴き取りをする事務所か、診療所で、
その様子を見たり、勉強したり、
同じ位の子供とサッカーをして過ごすことにした。

でも、必ず、私達が見える処に居ること!
という約束をしていた。

今でも、昔ほどではないけど、
誘拐が無いわけでもなく、
過激派のような輩が、
来ないとは限らないと言われていたからだ。


こちらに来て三日目に、
アリがやって来たのには、本当に驚いてしまった。

エクスに居た時に、
話はしていたけど、
まさか、ここまで来るとは思わなかった。


「ここ、携帯電話が通じないから、
連絡出来なくて…」と言って、

「その髪、どうしたの?」と私の髪型を見て、笑われてしまった。


アリを見つけて、
子犬のようにアダムが駆け寄って、
飛び付くのを観ながら、

「今回は、手掛かりを見つけられそうな気がするの」と、
私は少し厳しい顔で言った。


アリはボランティアで、
私の横で現地の言葉の通訳をしてくれて、
とにかく、あの少年や、
当時のことを知ってる人や、
情報を持ってる人を探す手伝いをしてくれた。
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