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全部、夏のせい
第10章 再びのエクス、そして隣国へ
祖母の処にアリを連れて行くと、

「アリ、元気?」と、フランス語で言う祖母に、
「元気だよ」とフランス語で答える。


「アリ、フランス語も出来るの?」と訊くと、
少しだけだからと恥ずかしそうに笑った。


アダムを呼んで、
「アダム?
こちらはアリよ。
あのね。
勉強する時、一緒に勉強して、
判らないこと、教えてあげて?
アリ?
こちらは息子のアダム。
仲良くしてね?」と言うと、
お互いに恥ずかしそうにお辞儀をした。


「アリ、私達、3ヶ月、ううん。
あと、2ヶ月半しか、ここに居ないの。
その間にちょっと、考えての欲しいの。
もしも、ここに家族が居ないなら、
一緒にフランスに行かない?
もしかしたら、日本とか、他の国になることもあるけど。
嫌だったら、断ってくれても良いからね?」

アリ少年はポカンとした顔をしている。


「あなたは、夫の伝言を守って、
私に預かり物をきちんと渡してくれた。
お礼に渡された指輪も、
私にそのまま、返すと言ってくれた。
これ、売ればお金になるだろうに。
だから、そのあなたの素直な気持ちに、
私もお礼をしたいの。
いつか、アラムが帰ってきた時にも、
喜んでくれると思う。
アリのお母さんやお姉さんが無事に戻ってきたら、
勿論、こちらに戻って来ても良いのよ。
それまでの間、
一緒に過ごして、
家族を探しましょう?
あなたは、まだ、子供よ?
何歳?
そう。まだ9歳なのね?
だったら、勉強して、包帯を巻く仕事のスキルも身につけられる。
ここに居たら、水を汲んだり、仕事をすることばかりで、
勉強、出来ないから。
アダムも良いわね?
教えてあげれるでしょう?」と言うと、
アダムはニコニコした顔をすると、

「アリ、あっちでサッカーしよう?」と言って、
外に二人、仔犬のように走って行ってしまった。



「あの子はとても器用で、優しい子よ?
よく手伝ってくれてたの。
まさか、あの子がね…」と、
祖母がしみじみ言って笑う。


その時点で、
アリ少年を引き取ろう。
そう思っていた。



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