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全部、夏のせい
第10章 再びのエクス、そして隣国へ
そんなある日の明け方、
外で車の音や人の声がザワザワするので飛び起きた。

まさか、過激派が、
また、女子供を拐いにやって来たのかと思って、
手近にあったボールペンを手にそっと外に出た。


見慣れない車の周りに、
頭からすっぽり布で身体まで覆った大柄の姿がいくつか見えて緊張感が昂まる。


やっぱり、過激派?
これ、物凄いピンチじゃない?
ボールペンで何が出来るの?
いやいや。
ボールペンでも立派な武器になるって、
何かで読んだもの。
目とか鼻とかを攻撃すれば、動きを止められる筈。


そう思って息を顰めた。


すると、先に外に居たからか、
私より暗闇に目が慣れた相手の一人が、
何かを言いながら私の方に近付いてきた。


…これは、まずい。
闘わないと!

そう思って、物凄く間抜けな格好でペンを構えてみた。

相手は笑っているようだった。

あ。
背が高過ぎて、目にも鼻にも届かない。


そう気が付いた瞬間、
ボールペンを持った手を掴まれてしまった。


大丈夫。
接近戦なら、合気道がある!


そう思って、相手の手を柔らかくもう片方の手で上から添えて、
軽く相手の引っ張る方に身体を入れつつ、
ひねるようにすると、
呆気なく相手は転がっていた。


それを見て、
仲間の一人が笑いながら頭の被り物を降ろして、

「凄いな、マーサ」と言った。



「えっ?」と言うと、
それは、アラムのお父様だった。


びっくりして転がっている人を見ると、

「酷いな、マーサ。
てっきりハグでもしてくれるのかと思って手を握ったのに」と言いながら、
アリが立ち上がって、土埃をはたいていた。



「流石にヘリコプターや飛行機では出国出来なくてね。
車だったから、とても時間がかかったよ」と言って、
アラムのお父様は改めて私の手の甲にキスを落としてくれたので、

「ご無事で良かった!」と言って、
そのまま抱きつくようにして、
泣いてしまった。


「心配をかけたね?」と、
優しく髪を撫でながら、
暫くそのままでいると、
アリが、
「あれはなんなんだ?
マーサはニンジャなの?
なんで、俺、倒れたんだ?」と言うので、
みんなで声を上げて笑ってしまった。
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