この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
全部、夏のせい
第10章 再びのエクス、そして隣国へ
取り敢えず、狭い私の部屋に入って貰って、
ミネラルウォーターを沸かして、
「甘いコーヒー、大丈夫ですか?」と訊いて、
全員にインスタントコーヒーを渡した。

アラムのお父様とアリだけが部屋に残って、
他の人達は車の荷物を出したり作業をすると言って出ていった。


国では軍事クーデターになり、
民主的な選挙で選ばれたリーダーは拘束されていて、
また、自分を担ぎ上げて軍部が実質的なリーダーになろうとしていたので、自分を利用されない為に出て来たと説明された。


「でしたら、もう、国には帰らなくて良いですか?」と訊くと、

「構わない。
帰っても利用される。
それを断れば、殺されるだろう」と言って哀しそうな顔で笑う。


「他の国が介入して、
民主的なリーダーを支持するように出来れば状況は変わるが、
旧体制の私はそこに居ない方が良いだろう」


「でしたら、難民として、
他の国に行きませんか?
どこでも!
良かったら私と一緒に、フランスに行くのはどうですか?」


「そんなこと、出来るのかな」


「出来ますよ。
政治的な亡命になると思います。
私と一緒では、贅沢は出来ませんけど、
アダムも居ますし、
私、お料理、得意ですから!」


「それでは、マーサの処で、
お世話になるかな」と笑ってくれた。


「アリは?
どうするの?
国に帰るの?」


「いや。
もう、帰れないかな?
父王を脱出させるのに、
軍部の人間、殺しはしなかったけど、
だいぶ、やりあったから、
手配されてるし…」と言って、
脇腹を抑えて顔をしかめる。


「えっ?」と言って、覗き込むと、
布に血が滲んでいて、驚いてしまう。



「ちょっと、失礼しますね?」と言って、
少し長い上着を持ち上げると、
脇腹に傷があって、まだ血が滲み出ていた。


慌てて棚から救急箱を取って、
ミネラルウォーターで患部を洗ってからガーゼで一度拭いて、
更に消毒液で拭くと、
痛そうに「うっ…」と声を上げた。


気にせずたっぷり消毒してから、
クロマイ的な塗り薬をチューブから絞り出して塗布して、
ガーゼを載せてテープを貼ったけど、
それだけだと動いたら外れそうだったから、
伸縮性のある包帯で巻いてみた。


/323ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ