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全部、夏のせい
第11章 パリの長い夜

お風呂から出ると、
お部屋の中に夕食の支度がされていて、
アリも立っていた。
バスローブ姿が恥ずかしくて、
「着替えてきますね?」と言うと、
「家族なんだから、
そのままで良いだろう」とお義父様が笑う。
お義父様も同じ格好だ。
「俺はこれで…」と、
アリがぶっきらぼうな顔で言って、
出て行ってしまう。
少しの沈黙の後、
「それじゃあ、食べようか?」とお義父様が言って、
立ち上がって椅子を引いて座らせてくださる。
どの料理もとても美味しいけど、
あまり食べれなくて、恐縮してしまう。
食後の飲み物をワゴンで運んで来たスタッフさんに、
「とても美味しかったのに、残してごめんなさい。
ちょっと体調悪くて…」と言うと、
目を伏せ気味に、
「マダム、とんでもございません」と言って、
部屋から出て行った。
「薬を飲んだら、また、横になると良いよ。
私は帰るよ。
また、明日、様子を見に来るから、
ゆっくり過ごしなさい」と言って笑う。
「あの…。
もう少し、居ていただけませんか?」
「えっ?」
「独りになるのが怖くて…」と言うと、
お義父様は頷いて、
「では、お姫様が眠りにつくまで、
見守ろうか」と微笑んだ。
歯磨きをして、
先にベッドに潜り込んでいる。
お義父様は、ホテルのスタッフに、
食器などを片付けさせたりしてから、
同じように歯磨きをして、
寝室に入って来た。
灯りを消して、
少し離れた処のスタンドだけ付けた状態で、
デスクの椅子を引っ張ってきて座ると、
私の髪をそっと撫でてから、
腰を上げて額にキスをしてくれた。
私はまた、泣いてしまっている。
「マーサ。
大丈夫だよ。
マーサにはアダムが居るから。
私もそばに居るよ?」と言って、
フワリと抱き締めてくれる。
私はお義父様にしがみついて、泣き続けてしまうと、
お義父様はそっとブランケットを持ち上げて隣に横になると、
私をしっかり抱き締めてくれた。
お部屋の中に夕食の支度がされていて、
アリも立っていた。
バスローブ姿が恥ずかしくて、
「着替えてきますね?」と言うと、
「家族なんだから、
そのままで良いだろう」とお義父様が笑う。
お義父様も同じ格好だ。
「俺はこれで…」と、
アリがぶっきらぼうな顔で言って、
出て行ってしまう。
少しの沈黙の後、
「それじゃあ、食べようか?」とお義父様が言って、
立ち上がって椅子を引いて座らせてくださる。
どの料理もとても美味しいけど、
あまり食べれなくて、恐縮してしまう。
食後の飲み物をワゴンで運んで来たスタッフさんに、
「とても美味しかったのに、残してごめんなさい。
ちょっと体調悪くて…」と言うと、
目を伏せ気味に、
「マダム、とんでもございません」と言って、
部屋から出て行った。
「薬を飲んだら、また、横になると良いよ。
私は帰るよ。
また、明日、様子を見に来るから、
ゆっくり過ごしなさい」と言って笑う。
「あの…。
もう少し、居ていただけませんか?」
「えっ?」
「独りになるのが怖くて…」と言うと、
お義父様は頷いて、
「では、お姫様が眠りにつくまで、
見守ろうか」と微笑んだ。
歯磨きをして、
先にベッドに潜り込んでいる。
お義父様は、ホテルのスタッフに、
食器などを片付けさせたりしてから、
同じように歯磨きをして、
寝室に入って来た。
灯りを消して、
少し離れた処のスタンドだけ付けた状態で、
デスクの椅子を引っ張ってきて座ると、
私の髪をそっと撫でてから、
腰を上げて額にキスをしてくれた。
私はまた、泣いてしまっている。
「マーサ。
大丈夫だよ。
マーサにはアダムが居るから。
私もそばに居るよ?」と言って、
フワリと抱き締めてくれる。
私はお義父様にしがみついて、泣き続けてしまうと、
お義父様はそっとブランケットを持ち上げて隣に横になると、
私をしっかり抱き締めてくれた。

