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全部、夏のせい
第11章 パリの長い夜
「本当にアラムは…?」

「ああ。
歯医者のカルテは無くなっていたから、
私のデータとDNA鑑定したから。
高い確率で、本人だと言われた」

「高い確率?
どのくらいですか?
アダムとも照合したら?
私、やっぱり、信じられません」と言うと、
ギュッと抱き締めて、額にキスをする。


「私も信じたくなかった。
でも、そうでもしないと、
諦められないだろう?」と言う。


「やっと時間を掛けて、
息子の死を受け止められた。
マーサはこれからだから、
時間が掛かるだろう。
支えるから…」と囁く。


「アラムは何処に埋葬されたんですか?」

「国の、私の一族の墓だよ。
無事だと良いが…」

「えっ?」

「私が出国した時も、
国はとても混乱していた。
墓荒らしや、
前王族を蔑ろにする輩もいるだろう」


「だったら、私、
骨を拾いに行きます。
私の手で、安全な所に埋葬します」と言うと、

「直ぐには難しいかな?」と言って、

「さあ。
眠りなさい。
マーサが眠ったら、
私は帰るから」と笑った。



薬のせいか、
アラムと良く似た香りのせいか、
頭が朦朧としてきて、
急速に眠たくなる。


そして、そこから、夢なのか現(うつつ)なのか判らない夜を迎えた。

多分、それは、夢で、
私のアラムへの想いのせいだと思った。
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