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全部、夏のせい
第11章 パリの長い夜
ハッと目が覚める。

まだ部屋の中は暗かったけど、
隣でお義父様は静かに眠っていて、
私のバスローブはきっちりと胸元も深く合わせてあって、
ベルトも結んであって、ホッとする。


「ん?
マーサ、どうした?
また、お腹が痛いのかな?」と言って、
抱き寄せるようにして、背中と腰をゆっくりさすってくれる。


私は安心した気持ちと、
淫らな夢を観ていたことが恥ずかしくて、
お義父様の胸に顔を埋めるようにして、
また、眠りについた。


今度は夢は観ないつもりでいたけど、
明け方に骨を拾おうとして、
全然掴めないという夢を観て、
声にならない声を上げて目が覚めてしまう。


目尻に涙が溜まっていたようで、
お義父様がそっと拭ってくれて、

「怖い夢でも観たのかな?
まだ、朝まで時間があるから、
もう少し眠りなさい」と言って、
髪を撫でてくれるので、

「骨が…骨が拾えなくて…」とムニャムニャ呟きながら、
また、眠りについた。

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