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全部、夏のせい
第12章 アリの想い

大学院まで出て、
国に帰るのかと思っていたら、
「国際法を学びたいから」と言って、
アラムはフランスの片田舎の大学院に行くことを決めてしまった。
俺は、国際法とか、興味もなかったけど、
アラムと一緒に居ることは俺の勤めだからと思っていたから、
同じ処に行くことにしていた。
授業が始まる前の夏、
外国人用の語学クラスに2ヶ月ほど入ると言われて、
アラムの父王の自家用ジェットでマルセイユに入った。
入国審査も、ろくにせずに入れる。
ふと見ると、子供みたいな背格好の女の子が、
カウンターで身振り手振りをしながら話をしているのが目に入って、
アラムは足を止めた。
入国審査でトラブルなんだろうけど、
どうせ関係ない。
アラムを促して、外に向かう。
「車がまだ、到着していません」と警備担当のヤツが言うから、
暫く空港の椅子に座って待つことになると、
さっきの女の子がようやく外に出て来て、
カウンターで何かを貰って、
近くのベンチにそれを広げると真剣な顔で観ている。
アラムが近寄って話し掛けている。
なんか、小動物みたいな感じで、
背の高いアラムに何かを言っていた。
そして、アラムは、
彼女と一緒に電車でエクスに行くと言い出した。
何かあったら!?
と、周りが止めても言うことは聴かない。
俺だけ、少し離れた席に座って着いていくことにして、
車は警備担当のヤツに回して貰うことにした。
電車の中の会話は聴こえなかったけど、
とても楽しそうな表情で彼女は話をしたと思うと、
うとうと居眠りをしてしまう。
無防備な処が可愛いけど、
まだ、子供だろう?
そう思いながらアラムと彼女をぼんやり観ていた。
それが、マーサとの出会いだった。
国に帰るのかと思っていたら、
「国際法を学びたいから」と言って、
アラムはフランスの片田舎の大学院に行くことを決めてしまった。
俺は、国際法とか、興味もなかったけど、
アラムと一緒に居ることは俺の勤めだからと思っていたから、
同じ処に行くことにしていた。
授業が始まる前の夏、
外国人用の語学クラスに2ヶ月ほど入ると言われて、
アラムの父王の自家用ジェットでマルセイユに入った。
入国審査も、ろくにせずに入れる。
ふと見ると、子供みたいな背格好の女の子が、
カウンターで身振り手振りをしながら話をしているのが目に入って、
アラムは足を止めた。
入国審査でトラブルなんだろうけど、
どうせ関係ない。
アラムを促して、外に向かう。
「車がまだ、到着していません」と警備担当のヤツが言うから、
暫く空港の椅子に座って待つことになると、
さっきの女の子がようやく外に出て来て、
カウンターで何かを貰って、
近くのベンチにそれを広げると真剣な顔で観ている。
アラムが近寄って話し掛けている。
なんか、小動物みたいな感じで、
背の高いアラムに何かを言っていた。
そして、アラムは、
彼女と一緒に電車でエクスに行くと言い出した。
何かあったら!?
と、周りが止めても言うことは聴かない。
俺だけ、少し離れた席に座って着いていくことにして、
車は警備担当のヤツに回して貰うことにした。
電車の中の会話は聴こえなかったけど、
とても楽しそうな表情で彼女は話をしたと思うと、
うとうと居眠りをしてしまう。
無防備な処が可愛いけど、
まだ、子供だろう?
そう思いながらアラムと彼女をぼんやり観ていた。
それが、マーサとの出会いだった。

