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全部、夏のせい
第12章 アリの想い

授業が始まって、彼女も俺たちと同じクラスになった。
ということは、普通にフランス語も難なく話せるのだろう。
何しろ、俺達はフランス語が公用語のスイスの学校に6年居たわけだから。
マーサ、という女の子に、
アラムはどうやらゾッコンだった。
彼女は、困惑しているように見えた。
彼女が居ると、目で彼女を追い掛ける。
普段、シャイで自分から話し掛けたりしないアラムが、
彼女には優しく話し掛けては、
ランチに行ったり、話をしようとする。
おいおい。
お前は、結婚してるだろう?
うちの姉ちゃんと。
そりゃー、身体がデカくて、
態度もデカくて、
大雑把でガサツそうな処はあるけど、
美の基準の、胸とケツのデカさは申し分ないだろうし、
家柄も釣り合ってるだろう。
歳上だけどな。
そんなことを、アラムに言ってみるけど、
アラムは黙殺する。
「なんだよ?
子供も出来ないしさ。
留学中も、全然、姉ちゃんのトコに行かないし。
インポなのか?
父王様も、子供、お前一人だしな?」と口を滑らすと、
怒った顔をした後、
顔を背けて、
「出て行ってくれ」と言われたりもした。
「マーサ、だっけ?
どうせ、財産目当てだろう?」と言うと、
「マーサには、自分のことを何も言ってない。
言わないでくれよ?
ただ、一人の男として、
僕を見て欲しいから」と釘を刺されることもあった。
そうして、少しずつ二人の距離が縮まるのを観て、
俺はどうしても許せなかった。
マーサがアラムを誑かすオンナにしか見えなかった。
何しろ、夢中で、
国も立場も神様も捨てて、
離婚もすると言い出して、
実際に申立書を提出していたから。
俺はたまらず、一時帰国して、
姉ちゃんを連れてエクスに戻った。
ということは、普通にフランス語も難なく話せるのだろう。
何しろ、俺達はフランス語が公用語のスイスの学校に6年居たわけだから。
マーサ、という女の子に、
アラムはどうやらゾッコンだった。
彼女は、困惑しているように見えた。
彼女が居ると、目で彼女を追い掛ける。
普段、シャイで自分から話し掛けたりしないアラムが、
彼女には優しく話し掛けては、
ランチに行ったり、話をしようとする。
おいおい。
お前は、結婚してるだろう?
うちの姉ちゃんと。
そりゃー、身体がデカくて、
態度もデカくて、
大雑把でガサツそうな処はあるけど、
美の基準の、胸とケツのデカさは申し分ないだろうし、
家柄も釣り合ってるだろう。
歳上だけどな。
そんなことを、アラムに言ってみるけど、
アラムは黙殺する。
「なんだよ?
子供も出来ないしさ。
留学中も、全然、姉ちゃんのトコに行かないし。
インポなのか?
父王様も、子供、お前一人だしな?」と口を滑らすと、
怒った顔をした後、
顔を背けて、
「出て行ってくれ」と言われたりもした。
「マーサ、だっけ?
どうせ、財産目当てだろう?」と言うと、
「マーサには、自分のことを何も言ってない。
言わないでくれよ?
ただ、一人の男として、
僕を見て欲しいから」と釘を刺されることもあった。
そうして、少しずつ二人の距離が縮まるのを観て、
俺はどうしても許せなかった。
マーサがアラムを誑かすオンナにしか見えなかった。
何しろ、夢中で、
国も立場も神様も捨てて、
離婚もすると言い出して、
実際に申立書を提出していたから。
俺はたまらず、一時帰国して、
姉ちゃんを連れてエクスに戻った。

