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全部、夏のせい
第12章 アリの想い
隣国のキャンプ地に到着してマーサを観た時、
俺は心の底から驚いた。


あの艶やかで美しかった髪を、
少年のように短くして、
目立たないシャツとズボンを履いていて、
まるで子供のようだった。

それなのに、毅然とした態度と、
優しい笑顔を浮かべながら、
テキパキと仕事をこなしていた。


本当に誰よりも美しくて、可愛らしくて、魅力的だった。


それなのに俺は、
外見を揶揄うような口の聞き方しか出来なかった。


マーサを手伝って、大量に流入してくる難民達のヒヤリングを手伝ったりして過ごした。

こんな処まで、
マーサのお祖母様とアダムが同行しているのも驚いたけど、
三人とも物凄くタフだと感じた。


そして、アラムが拉致された時、それを目撃していて、
アラムから大事な物を託された少年にも会えた。

俺と同じアリという名前で、
アラムが嵌めていた結婚指輪まで持っていて、
マーサに渡していた。


マーサは、愛おしそうにその指輪に口づけをして泣いているのを観て、本当に心が痛くなってしまった。



あっという間に1週間が過ぎたある日、
何の前踏まれもなく、ヘリコプターが飛来した。


アラムの父王だった。


西の捨て去られたキャンプ跡地で、
長身男性の白骨が見つかったという知らせを受けて、
やって来たと言った。


マーサも一緒に確認に行くと言うので、
一緒に行った。


白骨を見るという経験は、
誰もがする訳ではない。


俺は、とてもマーサには無理なことだと思って止めたけど、
マーサは気丈にも、骨を見つめて、
冷静に、
「脚の骨に傷はないから、アラムではない」とキッパリ言った。



そう言い切るマーサは、
本当に美しいと思った。
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