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全部、夏のせい
第13章 再会
目が覚めると、アラムが何か、朝食のようなものを作ってくれていた。

子供がそれを運ぶのを手伝うけど、
ベッドの女性は起き上がってこない。


「マーサ、おはよう。
ここは、たいしたもの、ないけど」と言って並べるものを、
床に座って丸くなって頂く。


子供はよく見ると男の子だった。

「何歳なの?
お名前は?」と訊くと、
恥ずかしそうに、指を4本出してから、
5本出す。
そして、名前はアリだと言った。


「また、アリかよ」と、
アリが苦笑する。


そして、
「アリ少年の話はしたよ?
アラムの大事なモノを届けてくれたことと、
養子にしたこと。
アダムと一緒にスイスの学校に入ったことも。
それと、俺と再婚なんてしてないこともな」と言われて、

「えっ?」と呟く。


「この小さいアリの前では話たくないこともあるから、
昨夜は言えなかったんだよ。
それなのに、マーサ、変なこと言うから、
俺、なんて言ったら良いか、参ったよ。
勿論、マーサと再婚出来たら最高に嬉しいけどさ」


「えっ?
嘘ばっかり。
アリは私のことなんて、
なんとも思ってないでしょ?」

「いやいや。
大好きだよ?
でも、多分、
アラムのことがいつまでも好きなマーサのことを、
好きなのかもしれないな」


真面目な顔でそんなことを言うアリを、
アラムが静かに笑いながら観てから、
私を真っ直ぐ見つめた。
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