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全部、夏のせい
第2章 好き?

広場に戻ると、アラムは他の友達と一緒にいつかのカフェのテラス席でエスプレッソを飲んでいた。
私が近付くと、3人の友達は立ち上がって会釈をして散り散りになってしまった。
「お友達、ご一緒じゃなくて良かったの?」と訊くと、
「少しお腹空いたね?
ここで何か食べてから行こうか?」とアラムは笑って言った。
確かに少しお腹が空いていたから、
カフェオレとパンオショコラをお願いした。
アラムも「同じものを」と言って、
子供みたいにパン屑をこぼしながら食べて、
二人で笑ってしまった。
そして、市街地の方にのんびり坂道を歩いた。
古い街だから、
ローマ帝国からの侵入を避けるように、
少し迷路になっていて、
毎回、街を間違えてしまうけど、
とにかく坂を降りれば市街地の何処かに出て、
帰りは登って教会を目指すと何となく何処にでも行ける気がした。
小さい街なのに、
ヴァカンスでお金持ちが避暑に来るのか、
小さい店舗ながら、
フランスの老舗の名店が並んでいて、
ウィンドウを一つ一つ覗くのが楽しかった。
どうしても欲しいバッグがあって、
滞在する2ヶ月間に出会えたら買って帰ろうと思っているエルメスは、
念入りに観ていたら、
「中に入らないの?」とアラムが笑う。
「遠足用のスニーカーとコットンのワンピース姿なのよ?」と言ったら、
「ドレスコードあるの?
ヴァカンスだから、水着みたいなご婦人もシャネルに居たし、
お客なんだから大丈夫じゃない?」と言う。
そんな会話をしていたら、
中にいた上品なマダムのようなスタッフさんが、
重々しいドアを開けてくれたので、
「少し見せていただけますか?」と言うと、
「勿論です」と言われた。
私が近付くと、3人の友達は立ち上がって会釈をして散り散りになってしまった。
「お友達、ご一緒じゃなくて良かったの?」と訊くと、
「少しお腹空いたね?
ここで何か食べてから行こうか?」とアラムは笑って言った。
確かに少しお腹が空いていたから、
カフェオレとパンオショコラをお願いした。
アラムも「同じものを」と言って、
子供みたいにパン屑をこぼしながら食べて、
二人で笑ってしまった。
そして、市街地の方にのんびり坂道を歩いた。
古い街だから、
ローマ帝国からの侵入を避けるように、
少し迷路になっていて、
毎回、街を間違えてしまうけど、
とにかく坂を降りれば市街地の何処かに出て、
帰りは登って教会を目指すと何となく何処にでも行ける気がした。
小さい街なのに、
ヴァカンスでお金持ちが避暑に来るのか、
小さい店舗ながら、
フランスの老舗の名店が並んでいて、
ウィンドウを一つ一つ覗くのが楽しかった。
どうしても欲しいバッグがあって、
滞在する2ヶ月間に出会えたら買って帰ろうと思っているエルメスは、
念入りに観ていたら、
「中に入らないの?」とアラムが笑う。
「遠足用のスニーカーとコットンのワンピース姿なのよ?」と言ったら、
「ドレスコードあるの?
ヴァカンスだから、水着みたいなご婦人もシャネルに居たし、
お客なんだから大丈夫じゃない?」と言う。
そんな会話をしていたら、
中にいた上品なマダムのようなスタッフさんが、
重々しいドアを開けてくれたので、
「少し見せていただけますか?」と言うと、
「勿論です」と言われた。

