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全部、夏のせい
第2章 好き?
「何かお探しですか?」と訊かれて、
思い切って、
「バッグを…」と言ってみた。

「黒か紺色のもので、
何年にも渡って仕事で使える革のバッグが欲しいのです」


マダムはニコニコしながら、

「フランス語、お上手ですね?」と言う。


「2ヶ月ほど、短期留学でエクスに滞在しますので、
もし、入荷することがありましたら、
お知らせいただけますか?」と言ってみる。


「そうですね。
いくつかありますが…。
夏なので、明るいお色のものが多いですからね…。
ご覧になります?」と言うと、
もう一人の男性スタッフに目で合図を出すと、
白い手袋を嵌めて、
いくつかバッグを並べてくれた。


プリュムやブガッティ、ケリーやバーキンもあったけど、
どれも華やかな色のものばかりで、
唯一あった黒のバーキンはクロコダイルで、
予算を遥かにオーバーしていた。

何よりも私みたいな小娘には似合わない。


マダムに観せていただいたお礼を言って、
色は黒か紺色が希望だけど、
クロコダイルは予算オーバーなだけでなく、
私にはまだまだとても似合わないことを伝えると、
優しい顔で微笑んでくれる。

仕事でも使うので、
ワンハンドルのケリーはエレガントで素敵だけど、
ツーハンドルで少し大振りのバーキンやプリュムが使いやすそうだと言うことを伝えた。


マダムは、
「承知しました。
入荷したらお知らせしますね?」と言って、
伝票を出してくれるけど、

「こちらで使える電話番号がないので、
時々、覗きに来ても宜しいですか?」と言うと、
嬉しそうに笑って、
自分の名刺を渡してくれた。


「そちらは、ご主人なの?」と訊かれて、

「いいえ!
同級生です!!」と言うと、
マダムはアラムにも名刺を渡して、

「ご愛顧、ありがとうございます」とにっこりした。


「えっ?」と言うと、

「彼がお召しになってるのは、
うちの商品よ?
背が高いから、とても似合うわね?」と笑った。
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