この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
全部、夏のせい
第15章 別離

日本に帰る前夜、
アリが私の部屋のドアをそっとノックした。
いつもお義父様もご一緒なので、
二人きりで話をするのはとても珍しいと思った。
「なんで、スイスに帰らないんだ?」
と言うアリに、
私は温かい紅茶のカップを勧める。
アラムが好きだったフレンチブルーのエキゾチックな香りに包まれる。
「お義父様を観てると、
どうしてもアラムのことを思い出してしまって、
辛いこともあって…」と口にすると、
涙が溢れてしまっていた。
「気持ちは整理出来ているはずなのに、
やっぱり、ダメみたい」と言う私を、
アリは抱き締めて背中や髪を撫でてくれる。
「俺じゃあ、ダメかな?」
「えっ?」
「俺じゃあ、アラムの代わりになれないかな?」と囁くように言うと、
涙を指先で拭ってから、そっと瞼にキスをして、
そのままゆっくり唇にもキスをした。
ただ、触れるだけのキスを暫くしていると息が苦しくなってしまって、
唇が開いてしまう。
アリは躊躇うように舌先を唇の間にそっと入れて、
私の舌を探るようにした。
アリが私の部屋のドアをそっとノックした。
いつもお義父様もご一緒なので、
二人きりで話をするのはとても珍しいと思った。
「なんで、スイスに帰らないんだ?」
と言うアリに、
私は温かい紅茶のカップを勧める。
アラムが好きだったフレンチブルーのエキゾチックな香りに包まれる。
「お義父様を観てると、
どうしてもアラムのことを思い出してしまって、
辛いこともあって…」と口にすると、
涙が溢れてしまっていた。
「気持ちは整理出来ているはずなのに、
やっぱり、ダメみたい」と言う私を、
アリは抱き締めて背中や髪を撫でてくれる。
「俺じゃあ、ダメかな?」
「えっ?」
「俺じゃあ、アラムの代わりになれないかな?」と囁くように言うと、
涙を指先で拭ってから、そっと瞼にキスをして、
そのままゆっくり唇にもキスをした。
ただ、触れるだけのキスを暫くしていると息が苦しくなってしまって、
唇が開いてしまう。
アリは躊躇うように舌先を唇の間にそっと入れて、
私の舌を探るようにした。

