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全部、夏のせい
第15章 別離

アリが身体を起こしてから、
私のことも起こしてくれるので、
胸の合わせ目を整えてアリを見上げるようにすると、
アリは困ったような顔をして、
顔を背けた。
「アリは、私のことなんて、
ずっと嫌いなのかと思ってた」
「へっ?」
「会った時から、ずっと怒ったような顔して、
睨んでたじゃない?」
「いや、そんなことは…」
「恐い顔、してたもの」
「マーサが可愛いから、
デレデレした顔しないようにしてただけだよ。
それに、最初からマーサは、
アラムのモノだったし」
「私は誰のモノでもないわ?
アラムのモノっていう風に思ったことはなくて、
ただ、アラムのことを愛してただけ…」
「うん」
「アリのこと、好きよ?
でも、家族みたいで…」
「いいよ。
無理しなくて」
「本当よ。
いつも、私や子供達を見守ってくれて、
お義父様のことも…。
感謝していて…」
「感謝なんか、要らない」
「本当に大好きよ。
でも、なんか…。
お兄ちゃんみたいで、
男女として、そういう風になるのが、
イメージ出来ないの。
ごめんなさい」
「そうか…」
とアリは淋しそうに笑った。
私のことも起こしてくれるので、
胸の合わせ目を整えてアリを見上げるようにすると、
アリは困ったような顔をして、
顔を背けた。
「アリは、私のことなんて、
ずっと嫌いなのかと思ってた」
「へっ?」
「会った時から、ずっと怒ったような顔して、
睨んでたじゃない?」
「いや、そんなことは…」
「恐い顔、してたもの」
「マーサが可愛いから、
デレデレした顔しないようにしてただけだよ。
それに、最初からマーサは、
アラムのモノだったし」
「私は誰のモノでもないわ?
アラムのモノっていう風に思ったことはなくて、
ただ、アラムのことを愛してただけ…」
「うん」
「アリのこと、好きよ?
でも、家族みたいで…」
「いいよ。
無理しなくて」
「本当よ。
いつも、私や子供達を見守ってくれて、
お義父様のことも…。
感謝していて…」
「感謝なんか、要らない」
「本当に大好きよ。
でも、なんか…。
お兄ちゃんみたいで、
男女として、そういう風になるのが、
イメージ出来ないの。
ごめんなさい」
「そうか…」
とアリは淋しそうに笑った。

